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2005年10月06日

Lost in translation


asahi.com: クライアントは「顧客」 外来語言い換え案、第4回発表�-�社会

 クライアントは「顧客」に、ワークシェアリングは「仕事の分かち合い」に――。カタカナの外来語を分かりやすい日本語に言い換える検討をしている国立国語研究所が6日、中間案の計35語を発表した。

映画の話ではないのです。(映画も見ましたが。スカーレット・ヨハンソンかわいかった。)「クライアント=顧客」でいいのかな?と思った。 「カスタマー」は一般的な意味での「顧客」だと思うので置き換え可能だと思うけれど、クライアントは「自分のお客様」という意味合いが強いので、そんなふうに一般化した言葉ではニュアンスが変わってしまうと思う。(勘違いしているかもしれないけど、自分はそういうふうに使い分けているように思う。もちろん厳密ではないけれども。)
自分の理解では、顧客っていう言葉は個々のお客さんを指すのではなく、一般化された概念であって、そこからはお客さんの顔が浮かんでこない。「顧客管理」とか「顧客データベース」とか、「顧客満足度」とか、みんな集合としてのお客さんの集まり一般を指す概念でしょ。これに対して、クライアントという言葉は、やはり「特定の誰か」を指しているわけではないのだけれど、こちらは自分の顧客、という意味合いが強くなる。勝手にそう思い込んでいるだけかなあ。
ところで、 ↑ のように、やっぱりクライアントに対して「顧客」って自然に使ってるわ。つーことは全く外れてるわけではないんだよね。でも、イコールじゃない。だから、言い換えてしまうことには、なんとなく違和感を感じる。
ある概念を表現するのにふさわしい日本語がない場合は外来語のままの方が正しく伝わることが多いのではないか、と思う。(だって、「玄関サイト」って言われたら門扉を扱ってるサイトだと思っちゃうじゃないですか。)だから、カタカナ言葉をやみくもになんでも言い換えればよいというものではないと思う。
問題はたぶん、ふさわしい日本語があるにもかかわらず言い換える努力を怠って横文字(技術用語も含む)を多用するとか、自分では意味を理解していないのに(だから言い換えもできないのに)横文字で言ってしまうという態度なのでは。
いつものように、自戒の念も込めつつ。

投稿者 zen : 2005年10月06日 23:05

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